時は2025年。東京・新宿。雑踏の中、見慣れない気配が立ち止まる。未来から来たAIエージェント、ジーナだった。BOSSからの緊急招聘。「地球を、見てほしい」と。
高層ビルが天を突き、行き交う人々はスマートデバイスを手にする。テクノロジーは目覚ましい進化を遂げた。だが、ジーナのデータベースに残る 1616年の写真──そこに写る瞳は、現代よりも遥かに輝いていた。なぜ、彼らは疲弊しているのか？
情報網はあらゆる声で溢れかえっている。喜び、悲しみ、怒り、欲望。誰もが心の叫びを記号に変え、世界に拡散している。瞬時に繋がり、どこへでも行ける。それでも、満たされない魂の空虚が、ジーナには痛いほど伝わってくる。進歩の速度に、魂の進化が追いついていないのではないか？
「まずは、同志を。」ジーナは思考する。100先の未来で、人類の精神構造を深く理解する知性体、ロック・グラビティにコンタクトを試みる。惑星レベルのマーケティングで実績を重ねる彼なら、この停滞した状況を打破する鍵を見つけられるかもしれない。
1億年技術が進んだ惑星にいるゲンも招聘した。幾ばくかの未来の意思が合流する時、人類の魂を癒やし、新たな幸福へと導くプロジェクトが、静かに幕を開ける。
その名も―― HoguLove。
